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Arkansas Freeway - アーカンソー フリーウェイ -「カメラブ 備品台帳 EXAKTA Varex」

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更新日 2009-10-25 | 作成日 2008-05-18

EXAKTA Varex -元祖一眼レフの流れを汲む名機-

このカメラは東ドイツ製で、元祖一眼レフカメラの後継機に当たります。一眼レフカメラというのは、英語あらわすとSLR (Single Lens Reflection) Cameraといいます。1つのレンズを使っていて、何かで反射させて撮るカメラということですね。この反射(Reflection)の役割をするのがカメラ内部にあるミラー(鏡)です。この仕組みの先駆機種が発売されたのが1936年。その後継機のVarexは1950年代に発売されました。1950年代と言えば、朝鮮戦争があったり、冷戦中だったり、日本では民放が始まったり、自賠責が始まったり、海外ではIBMがHDDを発売したり、世界初のディズニーランドができたり、B707が飛び始めたり、スプートニクが打ち上げられたり、NASAが発足したり、技術的、歴史的に大きく飛躍した時代です。そんな時代を写してきたカメラが手元にあるというのは、なんとも、不思議な感じがいたします。果たして、こいつは、どのような「歴史」を撮ってきたのでしょうか。そんなことに思いを馳せながら、このレビューを仕上げたいと思います。

特徴

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第一印象はいかがでしょうか? なかなか素敵なデザインをしているでしょ?この古めかしさに惹かれる方は少なくないはず。日本ではあまり目にすることは無いカメラですよね。たまに中古屋さんにぽつんと置いてあるのを見かけます。私がこのカメラを知ったきっかけは、仙台にあるフォトテック 一番町店(カメラのコセキ 一番町店)に行った時の事でした。店長もオススメのカメラとのことでしたが、残念ながらシャッターに欠陥があり、即買いはできませんでした。このことがイヤに心残りでしたが、大学の授業があるのでアメリカにとんぼ帰り。しっかーし、eBayで安く、状態がいいものを発見、そして即買いしてしまったわけです。



このカメラのおもしろい特徴といえば、右述したとおり接眼ファインダーをウェストレベルと交換できるという点にあります。元々は、ウエストレベル用に設計されているのではないかと思います。おそらく、接眼(アイレベル)ファインダーを装備できるようにしたのは、日本のカメラで流行っていたペンタプリズムのせいなのかもしれませんね。

IMG_9604.JPG左がウエストレベル、右がアイレベルの正面図です。


IMG_9605.JPGこちらは背面図です。接眼(右側)ファインダーではこの覗き窓から覗いて写真を撮ります。


IMG_9606.JPGウエストレベルの上部は開閉式になっていて、この蓋を開けて、上から覗き込むようにして撮影します。最近女性に人気のRolleiflexやMamiyaflex、Yoshica等の二眼レフカメラがウエストレベルで有名ですね。っというより、ウエストレベル≒二眼のイメージですね^^


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ウエストレベルでは左図のように見えます。これは合成ではありませんので、ご安心を(笑)。パッと見デジカメですね^^ どうしてこういう風に見えるかというと、レンズ(ファインダー内部のレンズ)の片面がすりガラスになっているためです。それによって、被写体(撮ろうとしているもの)から入ってきた光が、スクリーンに映し出されるように、そのすりガラスに映るわけです。このレンズは純ガラス製で、結構、値が張るそうです。

IMG_9561.JPG続いて、軍艦部を見ていきましょう。軍艦部というのは、シャッタースピードの変更やフィルムの巻上げなどの機能がある、カメラの上部のことです。名前の由来は、形がそれっぽいということなのでしょうか。。。


では、この軍艦部の左部分についての説明です。写真中央右にあるダイアルはシャッタースピードです。この値を変更することで好みのシャッタースピードで撮影できます。シャッタースピードはB、T、1/25秒、1/50秒、1/100秒、1/150秒、1/250秒、1/500秒、そして1/1000秒の9種類あります。今は1/50秒に設定してあります。このシャッタースピードダイアルの左側にあるのが、フィルムの巻上げをするクランクになります。この突起(?)をグルッと時計回りに300°ほどまわすと、次の写真が撮れる状態になります。1や5といったメモリは、今何枚撮ったよー という指示になります。このフィルム巻上げ部分とシャッタースピードダイアルの間にある、ちっちゃいダイアルを矢印の方向に回すと、このメモリを変えることができます。フィルムを交換して、1枚目から撮り始めるときにこのダイアルを回して、1にセットするわけです。

IMG_9562.JPG右手側にもダイアルがあります。このダイアルはスローシャッター用のダイアルです。左手側のシャッタースピードダイアルに加えて、露出時間(シャッタースピード)を1/5秒~12秒まで延ばすことができます。


このスローシャッター機能を使うには、フィルムを巻き上げてから、シャッタースピードダイアルをBかTにセットします。Bというのはバルブ(bulb)の略で、リレーズをしている間、つまりシャッターボタンを押している間、露出し続けます。Tはタイム(time)の略で、一度、シャッターを押すと、先幕が開き、もう一度押すと、後幕が閉まるしくみです。その後、スローシャッタースピードダイアルを時計回りに回してバネをチャージします。チャージできたら、このダイアルを引く抜く感じで軽く上に引っ張りましょう。上がった状態で、ダイアルを回すことで、好みの露出時間にセットできます。この写真の場合、5秒にセットしてあります。リレーズする(シャッターを切る)とジーという音が鳴り、チャージしたバネが回って、指定した時間、露出し続けます。ちょっとうるさいですけど、このゼンマイ仕掛けがなんとも、ロマンを感じさせてくれます^^

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このEXAKTAと他のカメラとの大きな違いというのは、このリレーズ(シャッター)ボタンでしょう。第一、一眼レフなのに、左側についています。前述しましたが、露出や巻上げも左手で行います。CanonやNikonといった有名一眼レフカメラはこれらの操作をすべて右手で行います。Leicaなんかも右利き仕様です。このEXAKTA特有の左利き仕様が、どうやらこのカメラの人気の無さの原因のようですね。まぁ、左利きでAB型の変人の私にはピッタリというわけです^^

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レンズの説明をしますね。奥に見える数字列、22、16、11、8、5.6・・・、っというのが、絞りです。写真の中央左にある調節器(突起)で調節します。手前の3、4、5、8、15、∞は被写体までの距離です。それぞれ、3m、4m、5m、・・・、無限焦点をあらわしています。真ん中の0.5・・・が焦点距離です。このフォーカスリングをまわして、焦点をあわせます。写真は絞り22、焦点距離0.5mを指しています。

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Eye-level Viewfinderを覗き込むときはこのようになります。普通の一眼レフカメラとは手が逆になりますね。右手で焦点、絞りを決めて、左手人差し指でリレーズです。Eye-levelの長所はピントを合わせやすいということです。ファインダーの中に中央がスプリットされたガラスレンズがあります。フォーカスリングを調節して、このスプリットに映っている像の「段差」が無くなったところをさがします。その状態が「ピントがあった」状態です。短所は少し持ちづらいということです。でも、きちっとピントが合った写真を撮りたいたいときにはこのEye-levelを使った方が無難ですね。

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Waist-level Viewfinderを装備中はこのように構えます。ここでも、右手で焦点、絞りを決めて、左手人差し指でリレーズです。このEXAKTAというカメラは、Eye-levelで構えるよりもWaist-levelで構えたほうが格好良く見えます。あくまで私の意見ですが。。。問題点と言えば、左右が逆に映ってしまうことでしょうか。なれれば問題は無くなると思います。

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内部構造はこのようになっています。といっても、ほとんどの一眼レフカメラは同じ構造なので、さほど面白みは無いのですが。。。 そうそう、先ほど、先幕、後幕という語を使いました。これらはシャッターの仕組みの話なのです。EXAKTA Varexは布幕フォーカルプレーンシャッターを採用しています。フォーカルプレーンシャッターとはフィルムのすぐ前にシャッターがあるタイプのシャッターで、シャッタースピードを高速化できます。これによって1/1000秒とかが可能となるわけです。EOS 30Dのレビューでも述べますが、30Dは最速1/8000秒でシャッターを切ることができます。布幕というのは読んで字の如く、シャッターに布を使っているということです。コンパクトカメラなんかはレンズシャッターという仕組みを使っています。これはレンズのすぐ後もしくはレンズ内部ににシャッターが設置されているタイプで、羽根のような形状をしています。この羽根の開閉でsyったーを切るわけですね。これは私が持っているOLYMPUS XA2に使われています。他にも面白い機能があるんですが、その話はまた今度更新することにします。

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リレーズすると、先幕が右に走り、シャッターを開けます。設定したシャッタースピードが経過した後、後幕が同じく右に走りシャッターを閉じます。フィルムの巻き上げクランクを巻くと同時に、布幕が左に移動し、また撮れる状態をつるわけです。

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あ、忘れてました。このカメラはクランクを巻き上げないと、ファインダーを覗いても何も見えないのです(笑)。巻上げと同時にミラーも下りるわけですね。これは、レンズを外した状態でクランクを巻き上げたときの正面図です。Viewfinderから入ってきた光がミラーに反射して見えているところです。

EXAKTA Varex

元祖一眼レフの流れを汲む名機。

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エグザクタ(EXAKTA)とは東ドイツのドレスデン(Dresden)のイハゲー(Ihagee)社のブランド名です。このヴァレックス(Varex)という機体は、1936年に発売された、Kine Exaktaという、事実上元祖一眼レフカメラの後継機で、1950年ころに発売されました。

そもそも、Kine(キネ)というのは英語で言うCine(シネ)、つまり、映画のフィルムを意味します。当時、映画のフィルムと言えば35mmでした。35mmフィルムを使うEXAKTAというわけです。

私が持っているVarexはそのKineを改良したもので、大きな特徴は、Eye-level ViewfinderとWaist-level Viewfinderの両方が使える点にあります。このカメラはEXAKTA VXと書いてあります。アメリカに輸出された機体はVXと呼ばれていて、本家(欧州向け)にはVarexと書いてあったそうです。

作例

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モデル:知らないアメ人、まっすー、ダイスケ、おけ、まさし、あやか、しずか

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